突然だが、ZILを手放すことにした。
実は、今年に入り、まだ一度もZILで遊びに出かけることができていない。
それどころか、この先もずっと、ZILで遊ぶ予定を立てられない状況が続きそうだ。
来年2月、64歳11ヶ月で仕事をリタイアして、ZILで自由放漫の旅に出る計画で準備を進めてきた。
出発するまでに、スタビとショックを交換してZILの足回りを強化する計画も、全て、キャンセルだ。
ここまで準備を進めてきたのに残念で仕方ないが、一旦、全ての計画をリセットすることに腹を決め、先週末、キャンピングカーの買取業者に来て頂き、ZILの売買契約を完了した。
仕事は、当面の間このまま継続して、とりあえず、次のターニングポイントを70歳と考え、エンディングノートを、一旦、白紙に戻し、もう一度、終活を考え直すことにした。
ZILをそれまで乗り続けることも考えたが、無事に70を迎えたとして、果たして、その時、今と同じ気力と体力を維持していられるのか、ZILで自由放漫の旅に出たいと思っているのかどうか、正直、自信が持てなかった。
もしかしたら、南の島のリゾートホテルでのんびり過ごしたいと考えるようになっているかも知れない。自由浪漫の旅よりも、クルーズ船のスケジュールに任せた気楽な旅を望むかも知れない。
残念だが、ZILとの付き合いはここまでだ。
突然の知らせ
正月明けの2月初め、奈良県に住む妹夫婦のところで世話になっている母ちゃんに電話をした。
昨年・今年と2年続けて正月に母ちゃんをコロナ禍で呼ぶことが出来なかったので、どうしているか少し気になったためだ。
そして、昨年8月、路上で転んで怪我をしてから寝た切りになっていることを知らされた。
半年以上も、風呂にも入っていないと言うではないか。妹夫婦の他に、成人した甥子と姪子が一緒に暮らしているのに、一体、どういうことか。
直ぐに様子を確認するために奈良に向かったが、著しく衰弱して歩くこともままならない様子の母ちゃんの姿がそこにあった。まだ、食堂とトイレだけは自力で移動が出来るようだったが、それ以外はベッドに寝たきりということだった。
食堂の椅子に座らせて少し話を聞いてみたが、言葉に覇気が全くなく、記憶も曖昧で、認知症が随分と進んでいる様子が伺えた。
2年前の夏、一緒に長野へ旅行した時は、観光地を元気に歩いていたのが、見る影もなく衰えてしまった。
このまま、ここには置いとけない。
直ぐに自分が引き取ることを妹に伝え、その日のうちに引っ越しの段取りを整えた。
まず、直ぐにでも風呂に入れてやりたいと思い、そのために、現地のケアマネージャーに連絡を取り、介護認定の審査と入浴サービスを相談するように妹にお願いをした。数日後、入浴サービスを受けることが出来たと妹から連絡があった。
石川県から家内が、ケアマネージャーに相談や打ち合わせを電話で行ってくれたお陰で、引っ越し前に「要介護2」の認定が降り、介護ベットや車椅子を手配することも出来た。
そして、3月最初の土日に合わせて月・火と休暇を取り4連休を取得して、母ちゃんを迎えに行った。
日に日に衰弱しているので、この時がギリギリのタイミングだったと思う。今の状態では奈良県から石川県までの長距離移動は出来なかっただろう。
家内には感謝しかない。朝から晩まで母ちゃんの面倒をよく見てくれている。
せめて、晩御飯の食器洗いを自分が担当することにして、寝る前の食器洗いが日課になった。
奈良県から石川県に引っ越して約4ヶ月が経つが、奈良に住んでいた記憶は既に消えてしまったようだ。寝たきりになった時の怪我は既に完治して、今は、顔面左半分のマヒと右目付近の帯状疱疹と闘っている。
母ちゃんを引き取り、介護に追われる毎日で家内の負担も相当なものだと思うが、今は家内に頼るしかない。
デイサービスやショートステイを提案しても母ちゃんは絶対に嫌だと言うことを聞いてくれない。
介護の日々が続く限り、ZILは宝の持ち腐れだ。
これがZILを売る決定打となった。
出来るだけ母ちゃんには長生きしてもらいたいと思うので、ZILを処分して現金に変えておいた方が良いと判断した。
今は母ちゃんを1番に考えて生活を組み立て直すしかない。
介護の問題は避けて通れない。母ちゃんの現実は、20年後の自分でもあり、悲観的にならずに、日常の楽しみを見つけ出して行きたいと思う。
そのためには、自分自身が気力と体力、健康と生活(=仕事)を維持することが重要だと思っている。
キャンピングカーで旅行する楽しさと便利さを存分に味わうことが出来たので全く後悔はしていないが、キャブコンの運転とスピーカの音だけは、正直に言って懲り懲りだ。
そうなると、次の車はバンコンか、もしかしたら、自動運転レベル3のSUVという選択肢もありかも。ZILを売却した代わりに新しい車選びの楽しみがひとつ出来た。
それまでは、ママチャリの自転車通勤で頑張りたいと思う。
コメント